きのこ採り

 長野県でマツタケが豊作だというテレビニュースが流れていた。マツタケが群生している映像を見ていたら、急に昔よく行ったきのこ採りの事を思い出した。
 子供の頃、父と一緒にきのこ採りに出かけた。雨が降った日の翌日が多かった。里山に分け入り 、きのこを探した。とは言え、むやみやたらに山の中を探し回ったわけではない。父が知っていて「シロ」と呼んでいるきのこがよく生える場所を何ヶ所か回ったのだ。「シロ」の場所は、一子相伝のようなところがあった。
 きのこが群生しているのを見つけた時は感動ものだった。しばらくその光景を眺めた後、喜びを抑えながら黙ってきのこを採った。他のきのこ採りの人に場所を知られてはまずいからだ。
 採ったきのこの種類は、マツタケやシメジ(ホンシメジ)だけではない。学名ではないものもあると思うのだが、地元でシバカブリ、イボタケ、コゾウタケ、オショウニン、クリタケなどと呼ばれているきのこを採った。
 採った後は、枯れ葉を被せたりして土壌を元に戻した。きのこが来年も生えるように環境を整えたのだ。それがきのこ採りをする者のマナーだった。
 きのこ採りの日の夕食はごちそうだった。シメジは、お吸い物で食べたりすると最高の味だった。シバカブリやクリタケなどは、豚肉と一緒に醤油や砂糖で煮込んで食べたりした。オショウニンは軽く焼いた後、割いて大根おろしと混ぜ、醤油をかけて食べた。もちろんマツタケは、焼きマツタケやマツタケご飯にして食べた。
 きのこ採りは、父にとって厳しい農作業のあい間のささやかな楽しみだったんだろうなあと思う。きのこ採りの事を、父と私との思い出のひとつとして懐かしく感じているところだ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 4

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
ナイス ナイス

この記事へのコメント

godor
2013年10月11日 19:41
読ませてもらい、小生も昔を思い出しました。
上人は確か、こちらで「ほうずたけ」と言っていました。
取れた時の気持ちよさと言ったらありません。
ハツタケを焼いてしょう油を付けて食べた、
その味、ずっと残っています。
残念ながら今はそんな事もありません。
MEISAN
2013年10月15日 19:19
先日、京料理の店で、松茸ご飯と松茸のどびん蒸しを食しました。肝心の松茸がちょっとしか入っておらず、期待はずれでした。

この記事へのトラックバック